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NIKKEIリスキリングの連載「職種&スキルの図鑑」では、注目の職種で活躍している人に、どんなスキルが必要なのか、どうすれば身につくのかを解説してもらう。第3回は「データサイエンティスト」について、キーエンスの山本祥武さんに聞いた。

前編ではデータサイエンティストの仕事内容と、課題を見つける・解くために必要な4つのスキルを紹介。後編では、最後のステップで必要なスキルをひもとく。さらに、各スキルを習得するのにオススメの入門書や講座、データサイエンティストのキャリアパスについても解説する。

分析結果が役に立つために必要なのは、実は社内調整力

適切なビジネス課題を見つけ、それが解けたら、いよいよ分析結果を「使わせる」段階に進みます。ここでモノを言うのが⑤ステークホルダーマネジメントのスキル。平たく言うと、利害関係者一人ひとりの心を解きほぐし、決定権を持つ人を説得する力です。

「え、データサイエンティストってそんな社内営業的なこともやらなくちゃいけないの?」と意外に思うかもしれませんが、せっかく苦労して出した分析結果を現場で生かしてもらうためには、これは避けて通れません。

よくあるのは、データ分析をして営業のターゲットリストを作ったけれども、現場の営業パーソンからは「いままで通り自分の勘で行った方がいいから」と拒否されて、使ってもらえないといったケースです。

そうならないためには、結果を押し付けるのではなく、本当にその人たちが効率よく働くのに役に立ちたいんだという気持ちを持つことが大事です。分析結果が出てからではなく、最初の課題設定のディスカッションの時から当事者をうまく巻き込んでいくような工夫も必要でしょう。

分析結果が出たら、まずは小規模で試すのが大事だと語るキーエンスのデータサイエンティスト、山本さん

分析結果が出たら、まずは小規模で試すのが大事だと語るキーエンスのデータサイエンティスト、山本さん

そして分析結果が出たら、社内での影響力が大きそうなキーパーソンや、必要性が高そうな人を2、3人選んで、小規模でまずは試してもらう。改善率がほんの数パーセントという施策よりも、適用範囲は狭くても改善効果が高そうな施策に絞って成果を出してもらい、それを徐々に広げていくなど、いろいろやり方があると思います。

もちろん新人でいきなりキーパーソンは誰なのかを見極めたり、タイミングを見ながら適切な人に働きかけをしたりするのは難しいので、データ分析で手を動かしつつ、ベテランが社内でどういう動きをしているのかを観察し、少しずつ学んでいけばいいと思います。

また、データ分析は「目から鱗(うろこ)」の結果が出ることの方が稀(まれ)で、当たり前の結果が出てしまうことも多々あるのですが、そのときどうするか?

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